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映画【ストーンウォール】ネタバレ感想・あの反乱はプライドパレードの原点だった!

今回は、わたしの大好きな映画「ストーンウォール」をご紹介したいとおもいます。

この作品は、1969年の「ストーンウォールの反乱」を背景に描かれたものです。

今では、世界中でプライド・パレードが行われるようになりましたが、ゲイ開放を求めるデモは1970年に初めてニューヨークで実施されました。

そのキッカケこそが、1969年6月に起きた「ストーンウォールの反乱」だったのです。

毎年プライド・パレードが6月を中心に行われているのも、ストーンウォールの反乱を記念してなんですよ!

「ストーンウォールの反乱」とは?

ストーンウォールの反乱は、1969年6月28日、ニューヨークのゲイバー「ストーンウォール・イン 」が警察による踏み込み捜査を受けた際、居合わせた「同性愛者らが初めて警官に真っ向から立ち向かって暴動となった事件」と、これに端を発する一連の「権力による同性愛者らの迫害に立ち向かう抵抗運動」を指す。この運動は、後に同性愛者らの権利獲得運動の転換点となった。  引用:Wikipedia

映画【ストーンウォール】あらすじ

主人公のダニーは、インディアナ州で高校生活を送っている普通の少年だが、ある秘密を抱えている。

それは、幼なじみのジョーに恋をし、時々彼女のいる彼とエッチなことをしていたのだ。

しかし、その場面を友人に見られてしまったことで事態は一変。
学校中、そしてアメフトのコーチをやっていた厳格な父にも勘当され、挙句の果てには、愛するジョーにまで裏切られ絶望する。

秋からコロンビア大学に進学することが決まっていたダニーは、家を飛び出しニューヨークへ向かった。
行く宛がなかったダニーは、ゲイタウンのクリストファー・ストリートにたどり着き売春をして生計を立てていたゲイのレイと、その仲間たちに出会う。

レイとその友人たちは、ゲイという理由で住むところも仕事もなく、売春をしながらクリストファーストリートで生活をしていた。

ダニーは、レイに連れられて行ったストーンウォール・インというゲイバーで年上のトレバーと出会う。

トレバーは、ゲイの権利を求めて戦っている熱心な活動家で、お互い惹かれ合い一夜を共にしてしまう。

その後、トレバーのアパートで一緒に暮らし始め、奨学金を得るために夜間学校にも通い始めたダニーだったが、ある日トレバーが若い男と浮気をしている場面を目撃してしまい、彼のアパートを飛び出す。

再び、レイたちと行動を共にすることになったダニーは、ある日レイが客から酷い暴行を受けたことを知る。


キャスト

監督 ローランド・エメリッヒ

  • ジェレミー・アーヴァイン
  • ジョニー・ボーシャン
  • ジョーイ・キング
  • ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
  • マット・クレイヴン
  • デヴィッド・キュービット
  • ジョナサン・リース・マイヤー
  • ウラジミール・アレクシス
  • ベン・サリヴァン
  • アンドレア・フランクル
  • パトリック・ギャロウ
  • アレックス・C・ナチ
  • カール・グルスマ
  • オトージャ・アビット
  • ロン・パールマン

映画【ストーンウォール】ネタバレ感想&評価88点

ストーンウォールの反乱についての感想

この映画を観るまで、ストーンウォールの反乱について全く知らなかったので衝撃的でした。

まず、1960年代のアメリカでは同性愛者は、警察や社会から屈辱的な扱いを受け続けていました。

例えば↓のような扱い。

  1. 同性愛者の雇用を禁じられていた
  2. 同性愛者は精神疾患とみなされていた
  3. 同性愛者が店で酒を飲むことも集会を開くことも違法だった
  4. 同性愛の治療として電気ショックが施されていた
  5. 同性間で性交を持った場合は、罰せられていた

同性愛者というだけで、こんなに酷い扱いを受けていたなんて、今の時代では信じがたいですが、これが1960年代のアメリカの現実でした。

ゲイの方たちも好きで売春を行っていたんじゃなくて、雇用を禁じられていたから、生活の基盤となるまともな仕事にすらつけなくて仕方なくやってたんですよね。

そういう理由から、映画の中の登場人物たちみんな売春してるんですよ。
ですが、そんな彼らの唯一の生活手段だった売春行為を警察が見逃すはずなくて、時には客を装って同性愛者の方たちを拘束することもあったみたい。

一番衝撃的だったのが、治療として電気ショックが施されていたこと。
自分も、あの時代のアメリカに生まれていたら電気ビリビリ療法をされていたのかと想像するとゾッとする。

で、日々、警察から屈辱的な扱いを受けていた同性愛者たちの我慢も限界に達し、1969年6月28日に歴史に残るストーンウォールの反乱が起こったのです。

彼らのおかげで、LGBTQの人々に対する社会の偏見の目は少しずつ変わっていきました。

映画の主人公ダニーは架空の人物ですが、他の数人の登場人物は実際に存在する方々で、ストーンウォールの反乱後、同性愛者を支援する組織を設立したりしています。

驚いたのが、ストーンウォールイン(ゲイバー)を牛耳り、若いゲイの子たちをエサに金儲けしていた悪党のエド。

エドは反乱の時に逮捕されましたが、その後逃げ出し、失踪。
しかし、戻ってきたときにはゲイ解放の熱心な活動家に大変身を遂げ、その後ニューヨークのデモでその功績が称えられるようになったそうです。

ストーンウォールの反乱から一周年を記念して、ゲイ解放戦線の企画で5000人以上の男女がグリニッジ・ヴィレッジからセントラル・パークまで行進。

これがニューヨークでの最初のLGBTQのためのプライド・パレードだったんですね〜。

以後、毎年6月の最終日曜日にプライド・パレードが行われていますが、あの出来事が今に繋がっているんだと思うと、LGBTQ当事者としては感慨深いものがあります。

映画の感想

まず映画を見て思ったのが、俳優たちの演技力の高さ。

主演のジェレミー・アーヴァインも良い演技をしていましたけど、それよりもレイを演じていたジョニー・ボーシャンよ。

ジョニーはプライベートでも、本当にゲイの方なので喋り方や仕草などがリアルなんですけど、なによりも色気がハンパないわww

 

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「A Whiter Shade of Pale」の曲に合わせてダニーがトレバーとダンスするシーンあるんですけど、その様子を見たレイが嫉妬するんですよ。

言葉はなくても、あの嫉妬してるときの表情がめっちゃドキッとするんです、女性から見ても。

このダンスシーンは見どころなので、是非チェックしてみて(^^)

映画の話に戻りますが、ちょっとモヤッとする場面があるんですよね。

それが、ストーンウォールの反乱が収束して出ていこうとしているダニーをレイが呼び止めるシーン。

前向きに物事をとらえようとしているレイに対し、ダニーは「君を愛せない。君と僕は違いすぎるんだ」って酷いこと言ってましたけど、あの流れであのシーンいります?

あんなに世話になったレイに対し、君と僕は違いすぎるなんて言わなきゃダメなの?

そりゃ、ダニーはコロンビア大に進学するから、路上で生活しているレイや他のゲイの子たちとは違うけど、あの場面は見ていてイラっとしたかなー。

その後、大学初年度を終えたダニーは、故郷へ帰省して自分を裏切った幼なじみのジョーを訪ねるんですよ。行かなくてもいいのに(●`ε´●)

で、「本当に愛していた、今でさえ・・・」とか言い出す始末ww

いやいや、本当に大切にしなきゃいけない人が違うでしょ!って感じなんだけど。

ダニー自体、架空の人物なので仕方ないけど、ジョーに会いに行くシーンはマジでいらなかったと思うんですね。あんなヒドイ男をもう一回登場させる必要なんてないでしょ。

そして、ダニーと両親との関係にも少しずつ変化がありました。

帰省したとき、ダニーに気付いた父親が一時は車を停車させるけど、その後近づいてきたダニーを避けるように車を発進させたシーン。

たぶん、息子がゲイだという事実を厳格な父なりに受け入れようと努力している最中なんだと思う。それが、バックミラーに映る息子を見つめる表情に現れてて、ちょっとウルっとしました。

ラストでのニューヨークのデモで行進するダニーを、誇らしげに見つめる母親の顔が一番印象的でした。

母親の方は、最初から息子がゲイだという事実を認めてあげたかったけど、ゲイは犯罪だなんて言われていた時代だったので、世間がそうさせなかったんでしょうね。

ストーンウォールの反乱から50年が経過した今でさえ、全米の若いホームレスの4割は、性的少数派(LGBTQ)の人々だということに驚きました。

今年の夏、ニューヨークへ遊びに行ったときに若いホームレスの子たちを数人見かけたんですけど、もしかしたら性的少数派の子たちだったのかもしれないのか・・・。

昔に比べると、同性愛者の人々もだいぶ生きやすい社会になったとは言え、未だに根強い偏見やイジメなどがあるので、普通に堂々と自分はLGBTの当事者だと言える世の中になってほしいなとおもいます。

そして、この映画をもっと多くの人に観てほしいです。

この作品を見れば、同性愛者がどのように扱われてきたのか、そしてストーンウォールの反乱、プライド・パレードの歴史など、多くを理解することができると思います。