映画【モンスター】は、実在した元娼婦で連続殺人犯のアイリーン・ウォーノスの生涯を描いた作品です。
日本では2004年に公開されました。
公開当時、わたしはシャーリーズ・セロンを知りませんでしたが、この作品がキッカケとなり彼女の大ファンになりました!
この映画はもう5〜6回観ていますが、何度観てもシャーリーズの女優魂とかプロ根性が感じられるので、ついつい観ちゃうんですよね〜。
シャーリーズ・セロンの容姿だけでなく、アイリーンがどのようにして連続殺人鬼になったのかも見所です。
Contents
映画【モンスター】ネタバレあらすじ
主人公のアイリーン・ウォーノスは、人生に絶望し雨に打たれながら自殺を考えていた。
売春で稼いだ5ドルだけが手元にあり、この5ドルを使ったあとに自殺しようと考え、1軒のバーへ向かったアイリーンは、そこで人生を大きく変えることになるレズビアンのセルビーと出会う。
意気投合したふたりは、お互い惹かれ合った。
翌日もスケート場で会う約束をしたアイリーンとセルビー。
しかし、アイリーンは稼ぐために乗った客の男の車で、レイプと酷い暴力を受け殺されそうになり、護身用に持っていた銃で男を殺してしまう。
約束の時間に間に合わなかったアイリーンは、夜遅くセルビーの家へ押しかけ、自分と1週間だけ一緒にいてほしいと頼む。
戸惑うセルビーを説得しそのままふたりの旅が始まった。
娼婦の仕事にウンザリしたアイリーンは、セルビーとの生活のために普通の仕事に就くことを決意する。
しかし、学歴も職歴も何の経験もないアイリーンにできる仕事は他に何もなかった。
持っていた手持ちのお金も底をついていき、セルビーはアイリーンに怒りをぶちまけ、アイリーンは初めて客の男を殺したことを告白する。
追い詰められたアイリーンは、娼婦の仕事に戻りそこから客の男たちを殺害、車と現金を奪う行動を繰り返すようになる。
その頃、警察も娼婦の犯連続殺人鬼を捜していた。
殺した男の車で衝突事故を起こしたり、目撃情報などからアイリーンとセルビーの似顔絵がニュースに出て、もう逃げれないと思ったアイリーンは、帰りのチケットを購入しセルビーを親元へ返した。
キャスト
監督 パティ・ジェンキンス
- シャーリーズ・セロン
- クリスティナ・リッチ
- ブルース・ダーン
- スコット・ウィルソン
- プルイット・テイラー・ヴィンス
- リー・ターゲセン
- アニー・コーレイ
- マルコ・セント・ジョン
- ババ・ベイカー
映画【モンスター】感想
シャーリーズ・セロンの変貌ぶりがスゴすぎる!
まず、この映画で一番印象的なのは、シャーリーズ・セロンの容姿だとおもいます。
シャーリーズといえば、細身で美しい女優さんですが、アイリーン・ウォーノスを演じるにあたり、10kg以上の増量と特殊メイクでまるで別人のようになりました!
大幅な増量をするために、毎日ドーナツを食べ続けたそうです。
本物のアイリーン・ウォーノスの写真を見たことがある方なら分かると思いますが、シャーリーズ演じるアイリーンと本物のアイリーンがよく似ているんですよね。
顔だけでなく仕草もおどろくほどソックリなのは、シャーリーズがアイリーンの映像を何度も何度も繰り返し見て勉強したからです。
目を見開いて話す姿や、唇の形や唇を舐める仕草なんかはソックリです。
そして、その演技が評価され初めてアカデミー賞主演女優賞を受賞しました。
「モンスター」は、シャーリーズにとって代表作のひとつともいえる作品なのです。
アイリーン・ウォーノスの生涯が悲しい
当時「モンスター」を観たあと、”アイリーン・ウォーノス”という人物に興味が湧き、外国のドキュメンタリー番組などをみました。
家庭環境に恵まれなかったアイリーンの生い立ちもカナリ悲惨で、13〜14才の頃に祖父の友人に強姦され妊娠したり、兄と近親相姦もありました。
祖母が亡くなったあと、家出をしたアイリーンは14才ころから娼婦として生計をたてるように。
唯一、血の繋がった家族からも裏切られ続け、こんな幼い年齢で娼婦にならなければいけなかったアイリーンに対し、ネットでは同情の声が多く上がっていましたね。
実際、89〜90年にかけて客の男性7人を殺害していますが、わたしは単なる金欲しさだけの殺害とは思えませんでした。
もちろん殺人は絶対ダメだけど、娼婦を見下している男たちがそんな娼婦を買って、散々いい思いした後に暴行するとか本当クソですよね。
中には、警官の男たちも含まれていました。
アイリーンと同じように、そんな男たちに中指立てたくなります。
幼い頃から、男たちにレイプされ、娼婦となったあとも暴力を振るわれ、男たちに見下され続けた今までの人生への怒りなどもあったのかなと感じました。。
モンスターなんてタイトル付けられているけど、アイリーンは生まれたときからモンスターではなかったんですよ。
もしかしたら、腐った社会と境遇がアイリーンを連続殺人鬼にしてしまったのかもしれないですね。
社会に絶望し誰も信用できなかったそんなとき、セルビーと出会い、唯一無二の存在を見つけます。
ところで、アイリーン・ウォーノスは実名ですが、セルビーは映画で実名を公表されることを断固拒否、本名は「ティリア・ムーア」です。
実際の裁判映像などもみましたが、セルビー(ティリア)はアイリーンと一度も目を合わせることもなく、「何も知らなかった」と全ての罪をアイリーンに押し付けました。
アイリーンはセルビー(ティリア)を愛していたから、そんな彼女の心境を理解し最後まで庇い続け、結局セルビー(ティリア)は罪に問われることはなかったようです。
結局、本気になっていたのはアイリーンだけでセルビーは、堅苦しい父親から逃げて自由な生活を手に入れたいがために、アイリーンを利用したのかなとおもいまいした。
アイリーンは、フロリダ州の死刑囚監房で12年間服役した後、2002年10月9日、注射で処刑されました。
この映画を観た後いつも思うのが、散々辛い経験をしてきた挙げ句の果に、最後は唯一愛した人にも裏切られて、アイリーンの人生って何だったのかなって。
純粋な人だったのが感じられるから余計悲しくなります。
まとめ&評価88点(100点中)
2003年制作の少し古い映画ですが、カナリの衝撃作なのでまだご覧になっていない方は是非!
シャーリーズ・セロンの変貌ぶりにも驚きますが、アイリーン・ウォーノスという元娼婦で連続殺人鬼になった女性にも興味が湧くとおもいます。
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