『4✕4 殺人四駆』は、2018年公開、アルゼンチン制作によるワンシチュエーションスリラー映画です。
車上荒らしの男が脱出不可能な四輪駆動車に閉じ込められ地獄を味わう物語。
映画のタイトルに釣られて観たら予想よりも面白くて、あっという間の90分でした!
映画【4✕4 殺人四駆】あらすじ
車上荒らしのシロは、路上に停められてあった四駆に押し入る。
カーステレオを盗み、車内で放尿を終え、好き放題したあと外に出ようとするとドアが開かず、どうやっても車から脱出することができない。
パニックに陥ったシロは、銃を取り出しフロントガラスを撃つが、跳ね返り大怪我を負う。
怪我に加え、食料も水もない車内でシロは徐々に衰弱していく。
絶望する中、突然車のオーナー、エンリケから車内に電話が入り・・・
キャスト
監督 マリアノ・コーン
- ピーター・ランサーニ
- ダディ・ブリエバ
- ルイス・ブランドーニ
- ノエリア・カスターニョ
映画【4✕4 殺人四駆】ネタバレ感想&評価75点
車上荒らしの男が押し入ったのは、脱出不可能な殺人車だった・・・という物語。
アルゼンチンの映画ってあまり観たことないんですけど、これはけっこう面白かったです。
登場する場所は、ほぼ荒れた車内のみ、登場人物もそう多くないのに、不思議と夢中で観てしまいました(^^)
路上に停められたカッコイイ四駆ですが、車上荒らしを捕まえるためだけに作られたような車なんです。
防弾、防音、そして偏光ガラスなので、外からは何も見えないし聞こえない、間違って入っちゃったら最後・・・みたいな怖ろしい車。
車オーナーで医者の男は、これまでに28回も車上荒らしや泥棒被害にあい、29回目は絶対に逃がすものかと躍起になっていました。
誰かが押し入ると、アラームと連動した携帯でドアは全てロックされる仕組みになっています。
そんな事とは知らず、のこのこやって来たバカ丸出しな男が餌食となるわけですが、ああいうシーンは観ていてイライラしますね。
自分の欲望のためだけに、他人の車に押し入り、好き勝手した挙げ句あんな風に欲しい物だけを盗んでいくなんて許せないわ(●`ε´●)
主人公の男を演じたピーター・ランサーニって俳優がまた視聴者をイラつかせる良い演技するから余計腹が立ちました(笑)
盗みだけでなく放尿シーンまであって、こういう連中は本当にタチが悪いなぁと感じます。
手袋もせず車内をベタベタ触ったり、放尿して思い切っきりDNA残してるくせに、通行人に見られないよう変に隠れたり、バカだからかやってることが矛盾だらけ。
防弾と知らずフロントガラスを撃って自分に跳ね返り大怪我を負うシーンは、こんなマヌケいるか?と思うくらい滑稽で観ていてスッキリしました。
自爆だけでなく、車のオーナーからも遠隔操作でジワジワ痛めつけられます。
そういうシーンがまた面白いんですよ。
こうなればいいのにって思う視聴者の願望を叶えてくれるので、スカッとします。
暑いと言えば凍え死にそうなほど冷房をガンガンにかけられ、怪我していると言えば傷口が腐るほど暖房を焚かれ、完全にざまあみろ系の展開へと進んでいきます。
主人公が野垂れ死ぬのか、それとも車のオーナーが殺しにやってくるのか、予想しにくい展開にワクワクしましたが、ラストが残念過ぎでした。
ここまで痛めつけたのなら、その流れのまま終わってほしかったのに、中途半端にしくじったせいで、オオゴトになって交渉人まで登場して説教されてるし、面白かっただけにもったいないなぁと思います。
車上荒らしの男をジワジワ痛めつけ死に追いやる物語かと思いきや、完全に社会に訴えかける系のオチだったのでガッカリ。
窃盗や車上荒らしを行う若者たちには、そうせざる得ない理由があり、生まれ育った環境も関係しているんだって・・・(´・ω・`)
だけど、そんな若者たちに生活を脅かされている住民も多くいるわけで、殺されかけている車上荒らしの男と、殺そうとしている医者の男どっちが悪なの?という部分が実はメインテーマだったんですね。
どんな生い立ちがあったとしても、どう考えても悪いのは車上荒らしする方だろ!!って思いますが・・・
冒頭から終盤にかけて気持ちいいくらい面白かったのに、ラストが後味悪すぎですね。
と言いつつ、ジワジワ殺られていく系の物語が好きな方はそこそこ楽しめる作品だと思うので、よければ是非ご覧になってみてください♪