今回は、2016年公開の映画「ALONE アローン」を観た感想です!
地雷を踏んでしまった海兵隊が救助されるまでの52時間を描いた物語。
観る前から何となくイヤな予感したんですけど、見事大当たり(笑)
銃撃戦とか地雷でハラハラとか期待し過ぎると間違いなくガッカリします。
映画【ALONE アローン】あらすじ
米海兵隊のスナイパー、マイクは相棒のトミーと共に、北アフリカでテロリストの首謀者である男の暗殺任務に就いていた。
しかし、マイクがしくじり任務は失敗に終わる。
敵の攻撃を逃れるため、マイクとトミーは数十キロ離れている村を目指していたが、途中3,000万個以上の地雷が埋められている地帯に入り込んでしまう。
トミーは地雷を踏み死亡、マイクも地雷を踏んでしまいそのまま動けなくなる。
なんとか、無線で仲間に連絡するも、救助がくるのは52時間後だった。
飢えと渇き、そして夜な夜な出没する狼に怯えながらマイクの精神状態は限界をむかえていき・・・
キャスト
監督 ファビオ・グアリョーネ
- アーミー・ハマー
- アナベル・ウォーリス
- トム・カレン
- クリント・ディアー
- ジェフ・ベル
- ジュリエット・オーブリー
映画【ALONE アローン】ネタバレ感想&評価28点
海兵隊が地雷を踏んで52時間動けなくなる物語。
確かに、一人ぼっちで地雷を踏んだまま動けなくなりますけど・・・
ある意味、この映画自体が地雷みたいな感じでした。
登場人物2人が地雷を踏んでしまうという流れは、「スタンド」という映画と似ています。

↑の映画で期待を大きく裏切られた経験があるので、本作も何となくイヤな予感してました。
まず、映画の冒頭から主人公マイクにイライラさせられます。
テロリストリーダーの暗殺という任務に就いてるくせに、狙える状況でも撃たない。
結婚式の最中だからって遠慮するくらいなら、最初からスナイパーになんかなるなよって感じ。撃ちもしないのにいつまでも銃を構えてるから、それが反射して敵にみつかっちゃうし、結局全部マイク自身が招いた不幸なんですよ。
その後、二人は砂漠を彷徨い歩くことになるんですけど、マイクはそこが3,000万個地雷が埋められた地雷原だということに気付きます。
「ヤベー、ここ地雷原だ」ってトミーに警告してやってるのに、お調子者のトミーは言うことを聞きません。
イラつくほどふざけまわるので、とっとと地雷踏んじまえ!って心底思ったわ。
ひゃっほーい!って感じのトミーは、期待を裏切らず地雷を踏んで死んでくれますが、問題はマイクの方、地雷らしきものを踏んづけたまま動けなくなってしまいます。
仲間に連絡しても救助は52時間後。
そもそも、人間って52時間も立ち続けられるの?って疑問に思いますが・・・。
渇きでフラフラなマイクの前に黒人の親子が現れるけど、マイクの態度が悪すぎて助けてもらえません。せっかくお水持ってきてくれてるのに、自分の思い通りにならないからって子供に怒鳴るとかクソなんですよ。
戻ってきた父親のほうに、おちょくられるシーンは、完全にざまあみろ状態。その後、狼に噛まれたり、敵に撃たれたりしても踏ん張り続けるマイクですが、次第に幻覚を見るように。
父親から暴力をふるわれている母親を助けられなかった事、恋人ジェニーとの結婚に踏み出せなかった事など、今までの人生で一歩踏み出せなかった出来事が走馬灯のように頭の中を駆け巡ります。
ここで、やっと気付きました・・・
この映画は、地雷の怖さを描いているのではなく、地雷を踏んじゃった臆病な男が勇気を持って人生の一歩を踏み出そうとする姿を描いているのだということに。
そう考えると、黒人の親子が現れたことも納得できますね。
父親の方は、地雷で片足を失くし人生に絶望したけど、手当してくれたナースと恋に落ち結婚、その後3男1女に恵まれ幸せに暮らしていること、だから勇気を持って一歩踏み出してみ?って伝えたかったのでしょう。
娘の方は、幽霊ですね。
父親と共に地雷の撤去中、飛ばされ亡くなってしまいます。
地雷を撤去した場所には、缶を埋めていたようなので、娘はマイクに「お前が踏んでるの缶だから!プッ」って伝えようとしたんだろうね。
要するに、52時間ヒーヒー言いながら踏ん張り続けたけど、踏んでいたのは地雷ではなく缶だったっていうオチ。
仲間が救助に駆けつける前に、もう一回本物の地雷踏まなきゃ格好つかないほどの恥ずかしさよ。
一見、シチュエーションスリラーっぽく見えるけど、ハラハラ感はほぼありません。主人公だから地雷で飛ばされるわけないし、そうなると地雷以外の何かを踏んでたってオチしかないですからね。
バカバカしくて簡単に予想できたオチだったけど、一歩踏み出すことの大切さを地雷に繋げる発想はなかなか斬新だなぁと。
人生に迷っていて踏み出す勇気が持てない方が見ると、もしかしたら一歩踏み出すキッカケになるかもしれないけど、私のような人生冷めた人間には何も響くものはありませんでした。
唯一、ウルってきたのが女の子が幽霊だったと分かったシーンかな。
父親には見えてないんだけど、ずっとお父さんのそばで見守ってあげてるんだろうね。
短気ですぐキレる主人公より、本当に地雷の被害に遭った親子のほうがよっぽど印象的でした。
観れないこともないけど、途中から何の映画見せられているのか、ワケ分からなくなるかも。