Netflix映画『ラストデイズ・オブ・アメリカン・クライム』の配信が6月5日(金)からスタートしました!
リック・リメンダー脚本の原作コミックに基づき制作された映画です。
カーチェイスや爆発シーンもあるので、アクションが好きな方なら楽しめるかもしれません。
Netflix映画【ラストデイズ・オブ・アメリカン・クライム】あらすじ
脳内のシナプスを操作して、違法行為を阻止するシグナルを政府が発信する日が迫っていた。
アメリカから自由が消えようとする中、一部の国民はカナダへ出国を試み、命を落としていた。
主人公ブリックは、街を牛耳るデュモイ家の下で働くギャングのリーダーだ。
仲間と銀行強盗をし手にした700万ドルを失くしたと偽り、デュモイ家に殺られる前に全員で出国予定だった。
しかし、そんなブリックの元に半年前刑務所に入った弟ローリーが自殺したと知らせが入る。
弟は亡くなり、仲間からも裏切られ、金も逃げ道も失ったブリックは完全に息詰まる。
デュモイ家は、ブリックに懸賞金をかけ探し回っていた。
そんな中、弟ローリーの死の真相を知っているという男ケヴィンが現れ、仇討として金の工場から大金を奪う計画を持ちかけられる。
しかし、ケヴィンはデュモイ家の息子だった。
キャスト
監督 オリヴィエ・メガトン
- エドガー・ラミレス
- マイケル・ピット
- アンナ・ブリュースター
- パトリック・バーギン
- シャールト・コプリー
- ブランドン・オーレ
- タメル・ブルジャック
- テレンス・メイナード
Netflix映画【ラストデイズ・オブ・アメリカン・クライム】ネタバレ感想&評価65点
最初に抱いた率直な感想は、シナプスって何?でした(笑)
ウィキペディアによると『神経情報を出力する側と入力される側の間に発達した、情報伝達のための接触構造。』らしいですが難しいですね^^;
まぁ、要するに首元にチップみたいな物を埋め込んで、人々が悪さをしようとするとAPIシグナルが反応し、違法行為をできなくするというような物として描かれています。
脳内のシナプスを阻害する働きのあるAPIシグナル、映画内でも反対派と賛成派に別れていましたけど、私は賛成派ですね。
違法行為さえしなければ問題ないのに、なぜ街がここまで荒れ果てているのか理解できません。
結局のところ、違法行為や犯罪に手を染めている人間が暴動を起こしているわけでしょ。
それなら尚更こういうシステムで犯罪を阻止すればいいと思いますけどね。
物語は、冒頭から緊迫感があって面白かったのですが、2時間30分はどう考えても長すぎ。
ベタなアクション映画なので、長くても2時間くらいで収めて欲しかったです。
主な登場人物は、主人公のブリック、セクシーな女シェルビー、そしてデュモイ家というマフィアの息子ケヴィン。
ブリックは、ケヴィンに言われるがまま大金強奪の計画にあっさり乗りますが、弟の仇討ちと言いながら、あまりそういう必死さが伝わってこないのが失敗点かな。
弟の仇討ちをする兄というよりも、途中から惚れた女シェルビーを守る男に変わってますが、2人の特別な関係とか絆みたいなのがあまり見えてこなかったので、どっちにしても感情移入できませんでした。
それよりも可哀想だなと思ったのが、ケヴィン。
シェルビーはケヴィンの婚約者ですが、それは全て彼女の計画の一部なだけなんですね。
ケヴィンはマフィアボスの息子ですが、ただのチャラ男として描かれており、大金強奪は大きな事を成し遂げたい可哀想な男の精一杯の背伸びでした。
ケヴィンとブリックの弟ローリーは、刑務所の中で一緒でしたが、ローリーの死の真相を匂わせブリックを大金強奪に誘います。
ケヴィンをちゃらんぽらんなキャラに設定して、視聴者を惑わせようとしてるんだと思うけど、ケヴィンがローリーを殺害した張本人なのが簡単に先読みできてつまらなかったです。
刑務所の中でAPIシグナルを試すモルモット的な扱いを受けていたのが、ケヴィンとローリーだったのですが、ケヴィンはローリーを殴り殺してしまいます。
要するに、ケヴィンにはAPIシグナルが効かない不思議な力があったんですね。
なので、殴るなどの犯罪行為を行ってもAPIシグナルが反応せず、有利な立場だったのです。
ところが、ケヴィンから真相を聞かされたブリックは大声を出して怒るわけでもなく、仇討ちはドコへやら・・・的な展開にガッカリ。
もう少し、ウォーーーーって感じの怒りがないとリベンジになってないじゃないですか。
ラストは、大金を強奪し、シェルビーとカナダへ向かいますが、国境を過ぎてすぐブリックは亡くなります。
言葉は悪いけど、やっと死んだのねって感じ。
酷い暴行を受けても、火を付けられても、撃たれても死ななくて、タフ過ぎてシェルビーとハッピーエンドで終わるのかと思ったほど・・・。
爆発シーンやカーチェイスが多いだけで、特に目新しい内容でもなく、意表を突く展開もないので、そういう意味ではつまらない映画でした。
なにより嫌悪感を抱いたのが、ブリックとシェルビーを更に親密にするために、ケヴィンと父親を殺し合いさせて描いている点です。
ボスを殺された子分たちが、ブリックとシェルビーを襲い、ケヴィンの居場所を吐かせようとするシーン。
あっさりケヴィンを裏切るシェルビーですが、そのまま男たちに拉致され襲われそうになっているところをブリックが助けに行く展開が安っぽい。
映画がフォーカスしているのは、弟の仇討ちに燃える兄でもなく、APIシグナルでもなく、主人公と女の恋愛なんですよ。
大した背景も見せず、ふたりの恋愛を強く出しすぎたせいで、全体的に中途半端な印象を受けました。
どうせなら、もっとロマンチックな展開にして、恋愛映画にしちゃえばよかったのに(笑)