「ジャングル ギンズバーグ19日間の軌跡」は、ボリビアのジャングルで遭難したヨッシー・ギンズバーグの著書を基に映画化されたサバイバルスリラーです。
主演は、ハリー・ポッターでお馴染みのダニエル・ラドクリフ。
ジャングルで遭難し、肉体も精神も限界に近づいていく様子がとてもリアルで怖かったです。
好きなタイプの映画だったので、最後までハラハラしながら観れました!
映画【ジャングル ギンズバーグ19日間の軌跡】あらすじ
ヨッシー・ギンズバーグは3年の兵役を終えた後、刺激的な人生を求め世界放浪の旅をしていた。
行き着いた南米ボリビアの地で、スイス人のマーカスとバックパッカーの中で伝説的な男ケヴィンと出会い仲良くなる。
3人はその後ラパスへ移り、ヨッシーは謎めいたカールという男に声をかけられ、ジャングルで失われた部族や秘境を見に行こうと誘われる。
ヨッシーはすぐにカールと意気投合するが、マーカスは知り合ったばかりのカールを信用できずジャングルへ行くことに大反対した。
しかし、ヨッシーとケヴィンの説得に根負けし、マーカスもジャングルへ行くことを決意する。
カールと共に軽装備でジャングルに入った3人は、悪天候や食料不足に不安を感じ始める。
暫くして、マーカスが足を怪我する。
雨季の前にジャングルから脱出したいヨッシーとケヴィンは、マーカスの足のせいでペースが遅れていることを心配していた。
ケヴィンは、カールに筏で川を下ることを提案し実行に移すも、危険な目に遭ったことでふたりは大喧嘩になる。
険悪ムードの中、4人が出した答えは2対2に分かれてジャングルを脱出することだった。
ヨッシーとケヴィンは筏で川を下り、カールとマーカスはジャングルの中を歩いて脱出することだった。
川を下り始めてすぐ、突然大きな岩がふたりの前に出現し、ヨッシーとケヴィンは激流に投げ出されてしまう。
そして、ケヴィンと離れ離れになったこの日から、ヨッシーの長く壮絶なジャングルでのサバイバルが始まった。
キャスト
監督 グレッグ・マクリーン
- ダニエル・ラドクリフ
- トーマス・クレッチマン
- アレックス・ラッセル
- ジョエル・ジャクソン
- ヤスミン・カシム
- ルイス・ホセ・ロペス
- リリー・サリヴァン
- ジャセック・コーマン
映画【ジャングル ギンズバーグ19日間の軌跡】ネタバレ感想と評価76点
ダニエル・ラドクリフ演じるヨッシー・ギンズバーグの演技がスゴイ!
大人になり、ハリー・ポッターの時のような可愛さはありませんが、ジャングルで遭難し気が狂っていく演技がリアルで良かったです。
まずこのストーリーは、知らない男にすぐ付いて行き、考えもせず上手い話に乗ってしまった主人公のヨッシーが招いた不幸なんですよね。
普段着のような軽装備でジャングルに入っちゃう4人にもビックリしました^^;
4人の中で唯一の常識人だったマーカスが怪我したことで、グループ内のムードが変わっていきます。
ヨッシーとケヴィンは、ジャングル行きに反対するマーカスを猛説得して連れてきたはずなのに、足を怪我したマーカスを邪魔者みたいに扱う様子にイライラしました。
そして、リーダー的なカールに反発してばかりのケヴィン。
4人は、2対2に分かれてジャングル脱出を試みます。
このときも、ヨッシーとケヴィンがマーカスを連れて行きたくない雰囲気が感じられイラッとしました。
この決断が運命を分けたわけですが・・・・
私がもしその場にいたら、間違いなく筏で川下りじゃなく銃を持っているカールに付いて行っただろうなと思います。
ヨッシーとケヴィンは、筏で川を下り始めた途端、大きな岩に衝突し激流に放り出されてしまい、離れ離れになります。
ラスト1時間くらいからヨッシーの孤独で壮絶なサバイバルシーンがスタート。
ジャガーなどの猛獣や、嚙みアリなどがいるジャングルを無装備で彷徨わなければいけない絶望や恐怖がひしひしと伝わってきます。
怪我した額に入った蛆虫?ミミズ?みたいなのを取り出すシーンは、体の力が抜けそうなくらい気持ち悪かったです(笑)
その後の青い卵を割り、孵化直前の鳥の赤ちゃんを丸呑みするシーンも吐き気がしそうでヤバかったです。
怪我と湿気で足が腐ってくるシーンもグロ過ぎました。
10日以上ジャングルを彷徨い歩いたヨッシーは、一人ぼっちでシクシク泣く部族の女性を発見します。
言葉は通じないものの、彼女を守ろうとするヨッシーですが、全てがまさかの幻覚だったなんて( ゚д゚)ハッ!
このシーンは、とても怖かったです。
ジャングルの孤独で過酷なサバイバル生活のせいで、精神までもおかしくなってしまうのは理解できます。
自業自得とは言え、主人公のヨッシーが感じた絶望を思うと気の毒になりました。
同じ頃、ケヴィンは川岸に横たわっているところを地元住民に発見され助かります。
ヨッシーは必ず生きていると信じ続けたケヴィンは、地元の警察に捜索をお願いしますが、遭難してから半月ちかく経過していたため、ケヴィン以外誰もヨッシーの生存を信じていませんでした。
結局、捜索は打ち切られますが諦められなかったケヴィンは、ジャングルに詳しい地元の住人にお願いし、ボートを出してもらいます。
そして遭難から19日目、ついにヨッシーは川岸でケヴィンたちに発見されるんですけど、あのシーンがめちゃくちゃ感動的でした。
ヨッシーは19日間ジャングルを彷徨い歩き、ケヴィンの姿を発見しても、声を出す体力も気力ももう残されていなかったんですね。
ボートがどんどん遠ざかっていく中で、ヨッシーはただ呆然と眺める事しかできませんでした。
しかし、ケヴィンが最後の最後にもう一度振り返った時立ち尽くすヨッシーの姿が目に留まります。
一瞬、このまま助けられないのかと思ったのでボートが戻ってきたときは観ているこっちまでホッとしました。
映画の前半ケヴィンがけっこうイヤな奴だったんですけど、最後はカッコよかったです。
彼が諦めなかったおかげでヨッシーは助かったわけですから。
結局、カールとマーカスがラパスに戻ることは二度とありませんでした。
それどころか、カールは当局から追われている身だったことが後に発覚します。
カールが何故ヨッシーに声をかけたのか不明のままですが、最後まで反対していたマーカスが犠牲となり本当に可哀想だなと思いました。
サバイバルスリラーですが、知らない人を安易に信用してはならないという教訓にもなる映画でした。
それにしても、上手い話に乗っちゃった代償があまりにも大きすぎますね(T_T)