映画「フリー・ソロ」は、命綱なしに若きクライマーが断崖絶壁を登る、前大未踏の挑戦に迫るドキュメンタリー。
第91回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞している他、世界各地の映画賞を総なめにした作品です。
U-NEXTで何気に目に留まり観たんですけど、怖くて体に力が入るほどハラハラしました。
映画【フリー・ソロ】簡単なあらすじ
アレックス・オノルドは、カリフォルニア州ヨセミテ国立公園にそびえる絶壁「エル・キャピタン」に命綱や安全装置なしで登ろうとしていた。
アレックスは、今まで40回エル・キャピタンに完登経験があったが、フリーソロでは初めての経験だった。
エル・キャピタンは、世界屈指の危険な断崖絶壁であり今までフリーソロで登りきった者は一人もいない。
アレックスの友人で映画監督のジミー・チンは、カメラクルーを集めその偉業をカメラに収めようとしていた。
命綱をつけて何度も練習を重ねたアレックスは、2016年秋の早朝エル・キャピタンに挑戦するも、ピッチ6で断念。
大勢の観衆がいた事と、微かな違和感を感じたことが理由だった。
そして、2017年6月3日ついに2度目の挑戦が始まった。
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映画【フリー・ソロ】ネタバレ感想
私はクライマーじゃないので、普段こういうドキュメンタリーって観ないんですけど、今回U-NEXTで何気に目に留まったのがキッカケでした。
まず、ハラハラ感がヤバイ、そして大迫力です。
975m命綱や安全装置なしで断崖絶壁を登るとか、私たちの感覚では考えられませんが、
クライミング経験ゼロだとしても、アレックスがどれほどの無謀なことをしようとしているのかは理解できるとおもいます。
だって、絶対に何があっても失敗できない挑戦ですからね(T_T)
アレックスには、サンニという可愛い彼女がいるんですけど、「寿命を全うしようとは思わないの?」とアレックスに問うシーンがありました。
アレックスの答えは、”NO”
ある意味、死の覚悟ができているというか、家族や大切な人のために生きるよりもクライミングに命を懸けているんだと感じました。
クライマーの中でフリーソロに挑戦する者は全体の1%未満だそうです。
だって、失敗=死ですからね。
実際、アレックスの友人を含め、フリーソロに挑戦したクライマーたち何人も命を落としています。
アレックスは、相当な覚悟を決めてクライミングしているんだと思いますが、彼を不器用ながらも支えている彼女のサンニもすごいなぁと。
私だったら、恋人が死に直面するような危険な挑戦を支えてあげることは絶対無理だとおもいます。
このドキュメンタリーでは、アレックスが育った家庭環境、友人、彼女のサンニとの関係も映像として描かれています。
アレックスがエル・キャピタンに命綱なしで挑戦するシーンは、ラスト20〜30分くらいから始まります。
まず、撮影の仕方が素晴らしい!!
アレックスの集中力に配慮しながら、本当どうやって撮ったんだろうと思うようなアングル、そしてアレックスの息遣いが合わさって、手に汗握りました。
足場がほとんどないような岩に、つま先を乗せて登っていくわけですが、観ているこっちの方が足の裏つりそうでしたよ(´・ω・`)
前回の挑戦で断念した、ピッチ6は予定よりも早く超えることができました。
その後は、難関のピッチ14,19と苦闘しながらも登って行きます。
一番観ていてハラハラしたのが、ピッチ23のホルダー・プログレム。
岩がせり出しているから、体ごと外側に放り出されている感じになるので本当、いつ落下してもおかしくない場所です。
そして、ラストのピッチ31をクリアし、アレックスはエル・キャピタンをフリーソロで完登した初のクライマーとなりました。
所要時間は、3時間56分。
ドキュメンタリーを観ていて、アレックスは友人や彼女といるときもどこか表情が暗く、心に闇がある人なのかなと勝手に思っていましたが、完登後の笑顔がとても可愛らしく印象的でした。
母親が、「心配で仕方ないけど、アレックスはクライミングしているときが一番輝いているから、それを奪うことはできない」と言った意味が分かったような気がします。
そしてつい先日、アレックスはサンニに結婚のプロポーズをしたようです♪
もちろん、返事は”YES”!!!!
8年越しの夢を叶えようとする気持ち、彼女、家族、友人との関係など、ありとあらゆる感情が100分の中に溢れていました。
高所恐怖なので、怖くて目眩しそうだったけど素晴らしいドキュメンタリーを観させてもらったとおもいます。