「ブルー・リベンジ」は、2013年公開のサスペンススリラー。
両親を悪党に殺された男の復讐劇ですが、”復讐”や”報復”というものについて色々考えさせられる作品です。
バイオレンスな部分も静かに描写されていますが、派手さには欠けるのでそういうのを期待して観るとガッカリするかもしれません。
しかし、いい具合にハラハラ感もあるし、個人的に面白い作品だったとおもいます。
映画【ブルー・リベンジ】あらすじ
廃車寸前の青いセダンでひっそりと暮らすホームレスのドワイト。
ある日、警察から両親を殺害した男が司法取引により早期釈放されると聞かされ、
あまりのショックに怒り狂ったドワイトは、復讐の準備をし出所当日男を刑務所の前で待ち伏せあとをつける。
男は出所祝いに家族と共にバーでパーティーを開いていた。
ドワイトは、トイレで男を待ち伏せ、ナイフで刺し殺し復讐は終わったかのように思えたが、翌日になってもニュースにすらなっていなかった。
ドワイトは、男の家族が警察に通報せず自分や姉に報復しようとしていることに気付き、すぐさま姉と子供を避難させ、自分ひとりで戦うことを決意する。
自分も怪我を負いながら、報復にやってきた男の兄をトランクに入れ連れ去るが、そこで男の兄から意外な事を聞かされる。
両親を殺した男は、身代わりになっただけで犯人ではなかったのだ。
それを知ったドワイトは動揺するが、男の家族の報復は止まらず・・・
キャスト
監督 ジェレミー・ソルニエ
- メイコン・ブレア
- デヴィン・ラトレイ
- エイミー・ハーグリーブス
- ケヴィン・コラック
- イヴ・プラム
- デヴィッド・トンプソン
映画【ブルー・リベンジ】ネタバレ感想
この作品を観てみようと思ったキッカケは、単に画が衝撃的だったからです。
両親を殺され、ホームレスになったあと孤独な男がどのように復讐をするのか、そこに興味が湧きました。
映画の冒頭からすでにホームレスとして描かれている主人公のドワイト。
どのような経緯でホームレスになったのか分かりませんが、
両親が殺害されたあとは、姉とも連絡を取らずボロボロの青のセダンで孤独に暮らしていました。
ドワイトを演じたメイコン・ブレアの演技がすごく良くて、表情からドワイトは気が小さく優しい男なのがよく伝わります。
そんなドワイトを復讐に駆り立てたのが、両親を殺害した罪で服役中だった男ウェイドの早期出所の情報でした。
ウェイドという男の家族もみんな悪党連中で、こんな連中に殺されたのかとおもうと観ていてやるせなかったです。
なにより印象的だったのが、サンドイッチ店でドワイトと姉が数年ぶりに言葉を交わすシーン。
姉は、子育てをしながら両親の事件を必死に乗り越えようとしていたけど、ドワイトがウェイド殺害を告白したとき、ショックを受けながらも「苦しませたでしょうね」という場面は、親を殺された子供の正直な気持ちが描写されています。
家族が殺されたら悲しみや怒りに終わりなんて一生ないだろうし、犯人も同じように苦しませて殺してやりたいと思うその気持が、あの一言で全てを物語っていると思いました。
バイオレンスなシーンもあるんですけど、どちらかというとそういう部分よりも、心に訴えかけてくる作品だとおもいます。
ドワイトは両親の仇討ちに成功しましたが、今度はウェイドの家族から報復に合い、両親を殺害したのはウェイドではなかったことを知りショックを受けます。
本当の犯人は、すでに亡くなっているウェイドの父親でした。
ドワイトの父と、ウェイドの母が浮気をし、嫁を寝取られ怒り狂ったウェイドの父がドワイトの両親を殺したのです。
癌を患っていた父を庇い、前科のなかったウェイドが身代わりになったという衝撃の事実を知ったドワイトでしたが、時既に遅し。
今度は、ウェイドを殺された家族の怒りに火が付きます。
ドワイトは、もうやめようと訴えるけど、それが報復合戦に発展。
ドワイトひとりで応戦し、姉を守るために向こうの家族を皆殺しにしたけど、自分を撃った若い男の子だけは殺さず逃します。
どうやら、あの男の子の父親はドワイトの父だったようですね。
ということは、異母兄弟だったということかな。
重症を負ったドワイトも亡くなったのか描かれていませんが、観終わったあとは虚しさが残りました。
復讐や報復の連鎖やどんな理由があっても復讐からは何も生まれないというメッセージが感じられる作品でしたね。
まとめ&評価65点(100点中)
仇討ちをして、それで終わり!っていうありがちなストーリーの映画とは違い、いろいろ考えさせられる内容でした。
ドワイト同様にボロボロの青のセダンも脇役として、いい味出しています(^^)
U-NEXTでご覧になれるので、もしよければ是非!